小説家の上原には妻子がいる。上原とナオミは不倫の関係にあった。そしてその夏,二人は上原の別荘で密会していた。「妻と別れる」という口約束。「子供が欲しい」と願うナオミ。それはナオミにとっては一瞬の幸せだった・・・。
そこへ妻の予期せぬ来訪。全てを見透かしていた妻は,二人の仲を裂くつもりでやってきたのだった。そして,不幸な事故は起こる。妻とナオミの取っ組み合いがエスカレート。倒れたナオミをナイフが貫いていた。流れ出す血に取り乱す上原。だが妻はそれを制し,ナオミを埋めた。全てを隠蔽するために。
かつて愛人・ナオミと密会を繰り返し、ナオミと妻が異常な死に方をした、あの惨劇の別荘。そこに住みついた上原のもとへ出版された「愛人霊」の次作「悪霊」の担当として女性編集者・冴子が訪れる。冴子は憧れていた作家の別荘に泊まり、身の回りの世話を始める。憔悴しきった上原は亡くなった妻と同じ香水をつけている冴子に戸惑いながらも徐々に心を開いていく・・・。
だが、惹かれあう二人が肉体を求め合ったとき、ナオミの怨念も目覚めてしまう!ナオミは決して愛を許さない。異様な現象が次々と起こり、蝕まれていく精神と肉体。ナオ